滋賀医療人育成協力機構
2013年6月10日
「信楽等甲賀・湖南方面の医療と歴史・文化を学ぶ」と題し、3月18日(月)19日(火)の2日間、滋賀医科大学里親学生支援室との共催で実施した宿泊研修に9名の学生が参加されました。
1日目、まずは地域の歴史・文化を学ぶ目的で甲賀市甲南町にある300年前に建築され日本でただ1つ残る甲賀流忍術屋敷と、水口町にある4つの池に囲まれてその名がつけられた大池寺を訪問しました。大池寺には、江戸初期に小堀遠州の手によって作られたと伝えられる観賞式枯山水庭園があり、参加者一同、その幽雅流麗な様に心休まるひと時を過ごすことができました。
午後からは、湖南市にある甲西リハビリ病院を訪問しました。
まず、飯田総務課長から、発症から2ヶ月以内に入院していただき早期かつ集中的にリハビリテーションを提供するリハビリテーションに特化した病院である等の説明がありました。次に、田中院長より「リハビリテーションの現状と地域が抱える問題」についてご講演いただき、リハビリについて、医療関係者の中でも理解が深められていない現状と医療保険制度と介護保険制度をめぐる現状と課題について学びました。また、質疑応答などでは、学生から質問が活発によせられました。その後、院内を見学させていただきました。
特に、機能回復訓練室では、患者個々の在宅復帰を見据えての訓練が細かにされている様子が伺えました。
1日目の最後は、宿泊場所の「水口センチュリーホテル」での交流会でした。
交流会1部では、NPO法人みなくち訪問看護ステーションの統括所長・認定訪問看護師の駒井和子氏から「訪問看護について」というテーマで、訪問看護の活動風景なども写真などで見せていただきながら、その役割や現状と課題についてもわかりやすく説明いただきました。
引き続き、2日目の訪問先でもある甲賀市立信楽中央病院の中島恭二院長から、「小病院は連携を力に地域医療を支えよう」というテーマで信楽地域における信楽中央病院の役割についてご講演いただきました。
また、交流会第2部では、公立甲賀病院長を始めとする訪問先の方々やプチ里親の方々にもご参加いただき、学生や教職員とともに、それぞれのお立場から地域医療への想いを伝える和やかな交流の場となりました。
2日目は、まず、信楽町にある甲賀市立信楽中央病院を訪問しました。
平岡事務長から、甲賀市の概要や病院概要についての説明をいただきました。信楽町は甲賀市の中でも高齢者の占める割合が高く、病院では3ヶ所の出張診療所や訪問診療も担っているなどの説明を受けました。その後、平岡事務長にご案内いただき、滋賀県最南端にある多羅尾出張診療所を見学しました。当日は、診療の行われない日でしたが、施設内を拝見し、地域の医療をささえる診療所となっていることを実感しました。
午後からは、引っ越し間近でご多用な時期の訪問にもかかわらず、研修を受け入れていただきました水口町の中心部に位置する公立甲賀病院に伺いました。
まず、本学卒業生でもある渡邊医局長よりご挨拶いただいた後、学生達からも自己紹介を行いました。そして、望月事務部長より公立甲賀病院組合の概要について説明をいただき、その後、2班に分かれて院内を見学しました。今回は学生からの要望もあり、3年生の学生には、別にプログラムを組んでいただき、患者を担当する各職種の集まる合同カンファレンスを見学する等の貴重な体験をさせていただきました。次に、今年4月1日から開院する新病院の見学をさせていただき新病院の壮大さに、時折、歓声があがっていました。最後に新病院長となられる清水先生を囲み交流を図らせていただきました。
今回も、また、多くの方々にご協力いただき、学生達にとっても甲賀・湖南市における地域医療や歴史・文化を理解する大変有意義な研修になったようです。この場をお借りして、ご協力いただきました訪問先を初めとする皆様方に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
なお、今回の研修では、朝日新聞による取材がありました。