滋賀医療人育成協力機構
2014年4月3日
3月18日(火)19日(水)に大津・湖南地域方面で平成25年度春の宿泊研修を実施し、里親登録学生を含めた本学学生11名と自治医科大学学生2名が参加しました。
1日目は、JR大津駅を出発し、徒歩で滋賀県庁へ向かいました。県庁では滋賀県健康福祉部角野次長から、滋賀県健康福祉部の行政組織図を元に滋賀県の健康や医療、福祉について、具体的にどのようなことを担当しているのかなどのお話がありました。
参加学生からは医者として行政にかかわっておられる角野先生の仕事へのやりがいなどについて、多くの質問がありました。
その後、地域の中核病院である大津市民病院、大津赤十字病院をバスの車窓から見学し、大津市坂本地区にある延暦寺の里坊である滋賀院門跡に向かいました。滋賀院門跡では、伝教大師(最澄)の教え、滋賀院に残る数々の文化財、小堀遠州作の庭園について、じっくりと説明を聞きながら見学をしました。また、滋賀院門跡に隣接する慈眼大師(天海)の廟所である慈眼堂や、穴太衆積みの石垣が残る里坊の町並みを散策し、歴史を肌で感じることができました。
午後からは、坂本地区に診療所を開設し26年目の坂本民主診療所を訪問しました。診療所では、今村所長から診療所の開設当時のお話を含め、診療所の日常の役割や在宅医療の現状、地域包括ケアについてのお話がありました。質疑応答では、学生から地域医療にかかわる多くの質問がされました。その後、院内の施設を見学させていただき、看護学科の学生は看護師の方々にお話を聞かせていただきました。次に、班別に分かれて診療所近くの介護福祉施設等(日和の里、デイサービスセンターこすもす、良の家、雅荘、宅老所はな)にそれぞれ訪問し、見学実習をさせていただきました。
夕方からは、宿泊先であるKKRびわこにおいて交流会を開催しました。
交流会の第一部では、済生会滋賀県病院社会福祉事業課 石井啓介氏から「地域医療支援病院としての当院の役割」というテーマで、滋賀県がん患者団体連絡協議会長 菊井津多子氏から「医療者に伝えたい事」というテーマで、それぞれご講演いただきました。
交流会の第二部では、訪問先の関係者の方々や医師会の方、里親・プチ里親の方々など総勢13名の方にご参加いただき、各々の立場での地域の医療についての考えや思い等をお話しいただく等、貴重な意見交換、懇談の場となりました。
2日目は、まず、平成6年に世界文化遺産に登録された、天台宗の総本山である比叡山延暦寺を訪れました。ここでは、室員である解剖学講座相見准教授の説明で、滋賀医科大学しゃくなげ会の慰霊法要でお借りしている阿弥陀堂をはじめ、不滅の法灯のある根本中堂などを見学しました。その後、横川にある滋賀医科大学霊安墓地へ向かい、黙祷を行った後、墓地内の掃除を行いました。
午後からは、守山市にある県立成人病センターを車窓から見学し、栗東市の社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院を訪問しました。済生会滋賀県病院では、救急センターを見学後、塩見救命救急副センター長からは、県湖南地域で唯一の3次救命救急センターとしての役目と、県内初のドクターカーの運用等についてのお話があり、馬場病理診断科部長から病院における病理医の役目についてお話いただき、学生からもたくさんの質問がありました。その後、総務部の小林さんから、病院概要についてのお話をいただき、ヘリポートや外来など院内を見学させていただきました。
大学までの帰路では、草津市にある草津総合病院を車窓から見学し2日間の宿泊研修を終えました。
今回も、また、地域の方々を始めとして、各地域の医療関係者等多くの方々にご協力いただき、ふれあいのある心温まる研修となりました。この場をお借りして、ご協力いただきました皆様方に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
なお、今回の研修では、京都新聞による取材がありました。