2015年11月過去の記事一覧

11月6日に開催しました第6回「卒業後の自分を考える連続自主講座」では、講師に野村哲哉医師、池川貴子医師、上里佳那子助産師、村上 節医師をお迎えし、各々の先生から次のような話を聞かせていただきました。

野村 哲哉 先生(南草津野村病院理事長・滋賀医大卒業2期生)

20151126_01.jpg 学生時代は心臓外科を目指していましたが、滋賀県では多くの心臓外科医を必要としないが産婦人科医は必要だったので、外科的なこともできると考え産婦人科医になりました。それでよかったと思っています。
 県内に二つの産婦人科病院と助産院を経営し、今までに25000名の赤ちゃんを取り上げました。
 今もって産婦人科医のみならず助産師も不足しているのが滋賀県の現状です。

池川 貴子 先生(滋賀医科大学医師臨床教育センター2年目研修医・滋賀医大卒業34期生)

20151126_02.jpg 学生時代から産婦人科医になりたいと思い、里親支援制度で野村先生に里親になっていただきました。大学卒業後は出身地の神戸に帰るつもりでしたが、野村先生や村上先生に滋賀や滋賀医大の先生方の魅力を改めて伺い、滋賀医科大学に留まる決意をしました。
 産婦人科の魅力は、「生まれる」瞬間、助けられるのは2人(母親と子供)であること、多くの治療法・手技があり、患者さんへの対応がそれぞれに違うことです。また、ロールモデルとなる女性医師が多くいることも魅力のひとつです。 大学病院の魅力は、先生方が熱心で優しい方が多く、多種多様な症例があり、周産期・婦人科腫瘍・不妊など多岐に渡って学べる環境に恵まれているということです。また、夜間も次の日を気にすることなくしっかり働けるよう「副直明け休み制度」も調えられており、働く環境にも恵まれています。

上里 佳那子 氏(滋賀医科大学医学部附属病院看護部MFICU 4年目助産師)

 「いいお産」とは、どのようなお産だと思いますか? 学生へ問いかけながら、出産前に胎児に奇形があることを告げられた父母の、出産前から赤ちゃんが亡くなるまでのわが子を思う気持ちの変遷と、その家族に寄り添った助産20151126_03.jpg師の思いについて、参加者の心に迫る発表をいただきました。 赤ちゃん誕生を、状況によっては「おめでとうございます」と口に出せないときがあります。「おめでとうございます」言えるかどうかは、家族によります。「いいお産」とは、赤ちゃんを家族が迎え入れられるお産だと思います。

 滋賀医科大学附属病院では、ハイリスクのお産について勉強しています。

村上 節 先生(滋賀医科大学産科学婦人科学講座教授)

 精子と卵子の天文学的数字の割合で私たち一人ひとりが生まれてくることは奇跡です。 がん治療を行うと女性は閉経が早まり、子どもを持つ機会が奪われますが、現在では卵子を凍結でき、閉経後も子20151126_04.jpgどもを持つことができるようになりました。この生殖医療情報は、医師のみならず、助産師、看護師、事務職員なども知っておかなければならないし、患者に提供する必要があります。滋賀医科大学では、滋賀がん・生殖医療ネットワークを構築し発信しています。


お話の後、学生からの質問に各先生が丁寧にお答えいただき、次の話が印象に残りました。

・お産の基本は、通常分娩です。お産にリスクの「有る」も「無い」もなく全て同じです。
・臆病で心配があれば医師にすぐに報告してくれるような助産師になってほしいです。
・産婦人科医はハードワークと思われていますが、現在60歳の野村先生は、患者さんが来てくれるうちは花であると思い、仕事のオン、オフを切り替え、どこででも眠れるように心がけておられます。
また、村上教授は、大学病院は地域の病院と違って、一人の患者さんを固定医師で受けもたず医師チームで受け持つことや、副直明け休み制度等を取り入れる等して、負担の軽減に努めておられます。
どの先生も患者さんとの心温まるふれあいに一番感動したと、語っていただきました。

 医療現場で勤務されている看護師の方々からの声も聞け、参加された学生・一般市民の方は大変有意義な時を持つことができました。
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参加された方からの声

  • たくさんの先輩の仕事に対する思いをきけて、とても頑張りたい気持ちになりました。
  • 医師・研修医・助産師それぞれの立場からの話がきけて、面白かったです。生命の誕生について見直す良い機会となりました。
  • 妊娠・分娩・産後とつながっているが、ひとつひとつの経過が奇跡なのだと改めて感じました。患者さんが中心にあり、患者さんにとっての良いお産を手助けできる助産師になりたいと私も思います。
  • 感動しました!出産ってキセキ!
  • 産婦人科の先生方のやりがいを聞けて刺激になりました。これからの医学の勉強が非常に楽しみになりました。
  • 違った立場にいる4人の先生方からお話を聞くことができて、とても参考になりました。ドラマでコウノドリを見ていますが、現場で直接働いていらっしゃる人の言葉はドラマよりもずっと感動的で「奇跡のすぐそばにいる」ということがひしひしと伝わってきました。また、いつもと違ってたくさんのスタッフの方がいらっしゃって、質疑応答において、様々な意見を聞くことができて良かったです。
  • 産婦人科は「助けるのが1人じゃなくて2人!」という言葉が印象に残りました。
  • 将来助産師を目指しています。今日のお話を聞いて、妊娠するということがまず"奇跡"で、そして生まれてくるということも奇跡なんだと思いました。人が誕生する瞬間に立ち会うことが出来るというのはすごく感動的だし、その産まれた子どもが大きくなってまた自分がお産をとらせてもらえることもあって、女性の一生に携わることが出来る仕事って良いなと思いました。
    これから、母性の実習や助産実習があり、大変なこともたくさんあると思いますが、今日の話を聞いて楽しみにもなりました。
  • 「いいお産」というものが、必ずしも赤ちゃんの健康だけを意味しないということが心に残りました。
    私は進路について、助産師を検討していますが、実際にゆきちゃんのような子のケースを扱うとしたら、どんな風に向きあえるのか、ご家族にどんな声をかけていいか戸惑うと思います。まだ少し時間があるので、後悔のない進路選択をしたいです。
  • 普段なかなか聞けない、本当にリアルな部分をきけて、とても良かったです。
    質問しようと思っていたことを話してくださって、聞いていて楽しかったです。
    また、ベテランの先生から若手の先生まで、幅広い年代の方の話をきけて、色々な考えなどを知れて良かったです。
  • ゆきちゃんの話では涙が出そうになりました。ゆきちゃんのお母さんが亡くなったゆきちゃんをお風呂に入れてあげ、お父さんが上手に抱き上げた、というところに涙が出そうになりました。
    今日の講座を聴いて、出産は本当に「奇跡」だと思いました。
    産科の現場での実際のお話がとても興味深かったです。ありがとうございました。
  • 非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。産科医療の現場に携わる方々からのお話を医師からだけでなく助産師の方々の立場から伺うことができ、来てよかったと思いました。
    産婦人科医が働く上での配慮があることがわかり、とても安心しました。
    実際に産婦人科医療に携わっている方のお話を聞くことができ、刺激になりました。
  • 産科領域全体のお話を聞くことが出来良かったです。
    現在の産科医療、生殖医療の進歩等、臨床の実態を知ることができたのは良い機会でした。
    モチベーションアップにもつながりました。
  • 助産師を目指しています。本当に貴重なお話をありがとうございました。これからも継続してやって頂きたいです。滋賀県のお産を充実させていきたいです。
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